「神戸いきもの会議」の第一回調査会で確認した昆虫類やクモ類を、FBやブログで少しずつ紹介している。今日もその一つ、キンヨウグモ。
このクモの解説に「美しいクモ」と判で押したように書かれている。褐色の地味な色彩の多いクモの中では確かに綺麗な部類かもしれないが、クモの嫌いの人にとっては綺麗も糞も無い只の気持ち悪いアシナガグモに変わりはないのである。
このクモの生態は「幼体は水平円網を張り、小昆虫を捕えて食べるが、成体は網を張らず、近くを通る昆虫を捕らえる」と思われていたが、最近の研究で、後期の幼体と成体はタテ糸だけからできた特殊な網を張り、 網に接近したりその上を歩く双翅類とクモ類をいきなり引っ掴む様にして捕らえることが明らかにされ、成体が網を張らないという定説は誤りらしい。
もう一つの面白い習性は、斑紋が現れたり消えたりすること。アシナガグモ、シロカネグモ、 カラオニグモ、エビグモ類などのクモ類でも体色変化をする種がいるが、これはイカと同様に、色素細胞が収縮拡大して体色を変えると見られている。
和名の由来も面白い。ドヨウオニグモというクモがいる。名の由来は、秋の土用の頃に成体になるからである。一方、キンヨウグモはこれより少し先んじて成体になる。「土用」を「土曜」にすり替え、「金曜蜘蛛」と名付けた命名者の遊び心である。
なお、キンヨウグモは兵庫県のレッドデータ(ランクC)に指定されている。
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